ITマーケティングNews vol.7-1「AI(人工知能)の可能性」

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ITマーケティングNews vol.7-1

AI(人工知能)の可能性

今年1月、日本マイクロソフトの平野社長が2017年を「AI元年」と発表、それを皮切りにAIに関するイベントが多数開催されています。中でも、7月に開催されたSoftBank World 2017では、AIやIoT をテーマに、様々な最先端技術が紹介され話題となりました。

AIとは「Artificial intelligence (=人工知能)」の略です。AIに関連して、ディープラーニング(深層学習)と言う言葉を目にされた方も多いのではないでしょうか。ディープラーニングとは、大量の情報を複数の層に分けて処理し答えを導き出す、機械学習(人間がプログラムせず、機械が自分で学ぶこと)のひとつです。人間の脳の働きをモデルとしており、AIテクノロジーの進化における中核技術となっています。

最先端のAIは、どう実用化されているのでしょう。SoftBank World 2017の事例の中からいくつかご紹介します。

■ 最先端AI(人工知能)の導入事例
75%の時間削減!AIの活用で公平な採用選考を実施

  • ソフトバンクでは、2018年度新卒の採用選考の一部にIBMAIWatsonワトソン)」を導入しました。過去の応募者のデータを読み込ませ、合否パターンを学習し判定を行います。AIの活用により、統一された評価軸で公平な選考が可能となり、書類選考にかかる時間の75%の削減にも繋がりました。人事担当者は、AIの判定が不合格の場合に内容の確認と最終判定を行う他、よりコミュニケーションを重視した選考である面接に、注力できるようになりました。
  • 癌細胞の早期発見もAI
    Guardant Health(ガーダントヘルス)が開発したシステムは、患者から採取した血液中の遺伝子情報をAIによって解析し、癌細胞 の発見を可能にしました。細胞を採取する際の痛みをなくし、安価でスピーディな検査結果が得られるようになったのです。
    同社は、今後5年間で100万人の癌患者のDNAを解析し、AIにディープラーニングさせる事で、癌の早期発見や、癌そのものの治療に役立てる計画を発表しています。
  • リアルタイムで映像を解析し、交通事故率を25%削減
    交通事故を未然に防ぐ安全装置として、Nauto(ナウト)AIを搭載した車載カメラを開発しました。周囲の交通状況やドライバーの表情をAIがリアルタイムで解析。居眠り運転や衝突事故が発生する前に注意喚起をします。これにより、交通事故を25%削減できると言われています。
    また同社、このシステムを搭載した車の運転に関わる行動データを集め、完全自律型自動の技術向上にも役立てる計画です。

■ 安全で快適な近未来に向けて
AIをはじめとしたテクノロジーは日々進化しています。自宅内の家電製品をネットワークで繋ぎ一括で管理するスマートーム、片翼を失っても墜落しない全自動操縦の飛行機。これらは既に実用化に向け実験進んでいます

私達が手軽にAIを活用できるようになるには、高速処理ができ、小エネルギー、低コスト、更にセキュリティの高い、次世代のインターネット・テクノロジーが必要です。 私達の周りにある全ての通信端末、クラウドやネットワークの処理能力が高まり、データの収集や演算処理を分散させる事で実現できるとされます。

あらゆる物がインターネットに繋がると、例えば、交通事故や渋滞が減り、最適なルートでの移動が可能になるでしょう。また、病気の早期発見だけでなく、多くの症例から適切な治療法とのマッチングもできるようになります。健康なままで平均寿命が延びる時代も、遠くない未来なのかもしれません。

■ AI とロボットとの違い
AI とロボットを人に例えると、AIが「脳」、ロボットは「身体」の部分になります。 ロボットは、予め設定されたプログラムに従って正確に作業しますが、プログラムされた以外の 動作はしません。身近な例としてお掃除ロボが挙げられます。 現在でもお掃除ロボは優秀ですが、これはAIによるものではなく、プログラムが優秀なのです。 

これとは異なり、データを解析・学習し、自ら最適な答えを導き出す力を持つのがAIです。 AI は、さらに「特化型AI]と「汎用型AI」の2種類に分類されます。特定の作業に対し優れた能力を 発揮するのが「特化型AI」で、すでに将棋や囲碁はプロ棋士以上の実力が実証されています。これに対して、SF映画に出てくるように様々な分野に対応できるAIを、「汎用型AI」と言いますが、 AIが人の心までも理解し自律するようになるのは、まだしばらく先になりそうです。



AIがますます身近な存在になり、家庭や職場で活用される日も遠くないでしょう。 10~20年先の日本では、労働の約半分がAIやロボット等で代替可能になると言われています。AIに雇用を奪われるのでは?という視点ではなく、面倒な家事や単純作業はAIやロボットに任せ、人間は趣味やクリエイティブな活動に時間を使えるようになると考えると、AI+ロボットが活躍する未来に夢が膨らみます。(ITマーケティング研究所 澤登 良子)

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(構成 / アイ・モバイル ITマーケティング研究所)

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