ITマーケティングNews vol.21
出前市場が急成長!けん引する新しいフードデリバリーサービスとは?
江戸時代から日本に根付く出前が今、急速な進化を遂げつつあります。外食市場全体の伸びが鈍化する中、出前市場の規模は2018年で4,084億円と、2015年からの3年間で15%拡大。今後も引き続き成長が予想されます。
単身世帯や共働き夫婦の増加にともなう中食(調理済みのお弁当や総菜を購入し家庭内で食事すること)ニーズの高まりに加え、スマホで簡単に注文できるサービスの登場が大きな後押しとなっています。
■ Uber Eats(ウーバーイーツ)が起爆剤に
出前市場拡大のきっかけとなったのは、アメリカで誕生し、2016年に日本に上陸した「Uber Eats(ウーバーイーツ)」です。Uber Eatsは、近くにある出前可能な飲食店をアプリで検索して料理を注文すると、指定の場所に届けてくれるフードデリバリーサービスです。2019年8月末時点で36カ国に展開し、2019年の注文金額は全世界で1兆円を上回ると見込まれています。日本国内の対応エリアは、都市部を中心とした9都府県ですが、エリア拡大とともにユーザー数・加盟店舗数を着実に増やしています。
■ 配達代行で飲食店の出前参入がより手軽に
Uber Eatsの大きな特徴は、店舗に代わって配達を行うことです。従来の出前は、配達スタッフや配達用の車両を店側が自前で抱える必要があり、大きな負担がありました。注文受付から、配達、集金までのプロセスを一挙に引き受けることで、これまで出前機能を持たなかった飲食店にも出前に参入できる機会を提供したのです。店側は料理を作ってUber Eatsの配達員に渡すだけ。設備投資や増員をすることなく、新たな顧客の取り込み、商圏の拡大が期待できます。現在では、マクドナルドやケンタッキーなどの大手チェーンから町の小さな個人店までバラエティに富んだ飲食店が登録されており、最近ではローソンがUber Eatsを活用した商品配達を試験的に開始したとして話題になりました。
Uber Eatsの仕組み
ユーザーがUber Eatsのアプリから注文すると、飲食店に注文が届くと同時に、Uber Eatsと契約する配達パートナーの中から、店舗の近くにいる人を自動で選択して配達依頼が送られます。依頼を受けた配達パートナーは、店舗に行って料理を受け取り、注文者が指定した場所へ届けます決済は注文時に完了しているため、配達パートナーが金銭のやり取りを行うことはありません。
■ フードデリバリーサービスが食卓を変える
こうしたフードデリバリーサービスの登場により、スマホさえあれば、いつでもどこでもコーヒー1杯からでも出前を取れるようになりました。令和元年10月1日、消費税増税にともない日本で初めて「軽減税率」が導入されます。出前は、軽減税率の適用対象となるため、さらなる需要の増加が見込まれます。外出困難な高齢世帯の増加、地方の過疎化など、日本が抱える諸問題に対しても、地域の人々と飲食店をつなぐフードデリバリーサービスは、食卓を支える存在として拡大が期待されます。
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(構成 / アイ・モバイル ITマーケティング研究所)
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