HPから美味しさを届けるこだわりの和菓子屋
大阪府豊中市の住宅街の一角に「菓子処 丹洛」はある。純和風の風格ある店構えの同店は、従来の和菓子に捉われない様々なオリジナル商品、季節のお菓子を作り、全国に発送している。今回は、経営者の数井久夫・鈴江ご夫妻、ホームページ担当の鶴田久美子氏、顧問税理士である暁税理士法人の香月千鶴子氏に話を聞いた。
厳選素材の手作り和菓子
――創業された経緯を教えてください。
数井久夫(以下久夫) 以前は和菓子の包装資材の印刷屋をしていたので、いろんな和菓子屋さんのお菓子を食べていました。ある時偶然、とてもおいしい和菓子に出会ったんです。山芋の生菓子で、一口食べると山芋と小豆の本来の味がして、和菓子ってこんなにも美味しいもんなんやって感動しました。そんな和菓子の魅力を多くの人に知ってもらいたいという思いが発端でした。
私は京都の亀岡の生まれで、和菓子の一番良い材料が偶然にも地元にありました。私の田舎も、もち米と小豆を作っています。その地元の材料を活かした本当に美味しいお菓子を作ろうと、家内と二人で「菓子処 丹洛」を始めました。
――こだわりを教えてください。
久夫 自家製餡の小豆は最高級の丹波大納言小豆です。こしあんにも使っているのはうちの特徴だと思います。山芋や栗、果物もすべてこだわって、生産者から直接仕入れています。素材の風味を最大限生かすために、上品な甘さの和三盆糖を使用しています。おいしいものを作るのが一番大事な事ですから、それを基準に材料を選んでいます。吟味した材料で一つひとつ手で作る、それがこだわりです。保存料は一切使っていません。
それだけ原価も高くつきますが、良い材料で本当においしいと思っていただけるように心を込めて作っています。
――人気の商品は?
数井鈴江(以下鈴江) 『よろこびの鐘』は、商標登録もしている定番商品です。また、旬の果物を求肥で包んだフルーツ餅も人気です。喜んでもらえるものをと考えて作ったのですが、皆さん「おいしい」と喜んでくださって、特に長崎のいちごを使った『いちご餅』は今では看板商品になっています。
HPから全国へお届け
――ホームページ(以下HP)の反響はいかがですか。
鈴江 HPを最初に作ったのは5年前ですが、「インターネットを見て来ました」という声が最近特に増えています。お子さん連れの女性など若い世代の方が多いですね。ここは駅からも遠く少し不便な場所なので、知ってもらうきっかけができて本当に良かったです。 また、HPを見た方から電話や注文フォームでご注文いただくことも多く、とくにお盆や『いちご餅』が出た時には注文が増えますね。近隣はもちろん東京にもクール便で送っています。
――テレビでも紹介されたとか。
鈴江 豊中で有名なちょっと珍しいお菓子ということでHPを見てくださったようです。HPに載せていた『パイナップル餅』の写真が綺麗だったからと全国放送の番組で取り上げていただきました。
――今年8月にHPをリニューアルされましたね。
鶴田 自社でも簡単に更新ができて、スマートフォンにも対応しているHPに変更しました。新しい商品を即座に公開できたり、ちょっと変更があってもすぐに書き直せるのはありがたいです。台風で休業する時もすぐにお知らせできたので助かりました。出張販売や休業日のお知らせで最低でも月に1回、新しい商品が出る季節の変わり目には、毎週のように更新しています。スマートフォンから見られている方も多いようで、HPを新しくしてから「見やすくなりました」というお声をいただきました。
――今後の活用についてお聞かせください。
鈴江 当店をより多くの人に知っていただきたいですね。手作りしている様子をもっと掲載して、出来たてを食べていると実感してもらえたらと思っています。他にも材料の写真やお祝い用の特注の和菓子など、ブログだけに掲載している情報をHPでもまとめて見ていただけるようにしたいです。 また、当店のお菓子は保存料を使っておらず、日持ちしないものが多いため、手土産にしたいと思われた時、また遠方からもご注文いただきやすいよう、日持ちするギフト用の詰め合わせを充実させていきたいと考えています。
――中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか?
香月 もともと丹洛さんのお菓子は評判が良く、個人の方がブログで紹介されたりしていました。しかし、肝心のお店のHPがないのはもったいないと開設をご提案しました。開設当初からアクセス数はかなり多く、広告としてはHPが最も効果があると思います。HPは名刺です。今は、知らない所へ行く時はまずHPを見て調べるのが普通で、飲食業や小売業では必要不可欠になっています。また、アクセス状況を解析することで、どういう人が関心を持っているか把握できるメリットがあります。中小企業がリサーチ力を得る意味でもHPは強い味方ではないでしょうか。
この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
菓子処 丹洛
〒561-0813 大阪府豊中市小曽根2-1-9
電話番号:06-6331-8702
HP http://www.tanraku.com/
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
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