求人目的のHP開設で延べ37名を採用
北陸三県を中心に、土木・建築の骨格となる鉄筋工事を担う株式会社新保鉄筋工業。工期を一度も遅らせたことがないという徹底した工程管理、自主検査による品質管理が高く評価され、躍進を続けてきた。同社では成長に伴う人材採用を目的とするホームページを開設。働きやすい職場づくりにも力を入れる新保和俊社長に、その活用方法を聞いた。
迅速な対応と品質管理が信頼に
――どんな工事を手掛けられているのですか。
新保 道路や橋梁、学校、ビル、マンションなどの基礎となる鉄筋の加工・組立を行っています。鉄筋工事は建物の強さ、寿命を左右する重要な部分。耐震性能の向上とともに鉄筋量が増え、配筋はどんどん複雑になっていますが、図面から使用する鉄筋の形状や本数を拾い出し効率的な組み方を考えるのが、この仕事の面白さです。
――近年大きく成長されています。
新保 当社は大手の取引先が無かったのが弱みでした。従業員が徐々に増えて私が営業に注力し始めた頃、たまたま舞い込んだ準大手ゼネコンとの仕事がきっかけで、待望の大手取引先との付き合いが広がりました。書類一つをとっても完成度が高く、求められるレベルに応じて、技能の習得、特殊な鉄筋曲げ機などの設備投資も行いました。結果的に大きな工事をできる力が付き、従業員の頑張りにも助けられ、この15年間で売上は5倍に増えています。
――強みは何でしょう?
新保 一番はスピードです。中でも見積提出の早さはどこにも負けません。お客様は1秒でも早く予算を組みたいはずなので。現場の工程を遅らせたことも一度もないですね。元請けから度々工程順守の表彰を受けますが、その分野は絶対の自信を持っています。二つ目は、強みと言えるか疑問ですが、従業員の人柄です。「顔は怖いけれど(笑)、本当に皆さん仲良くてアットホームな雰囲気ですね!」と現場監督さんからよく言われます。
もう一つは自主検査。図面どおりできているか現場で撮った写真を社内チェックし、品質の底上げを図っています。これを半日で終わる極小工事も含め全ての現場で行っている点が、信用につながっていると思います。
――課題は?
新保 当社はベテランの従業員が多く、平均年齢は40歳を超えます。若い人をもっと増やして、いかに育てていくかが一番の課題です。業績が好調な分、給与や待遇で還元できているとは思いますが、この業界を選んでもらうのにネックとなるのが休日面。なんとか見直そうと、土曜日も休めるようにしました。さらに祭日も休日にできないか、他の業者とも連携して元請けと折衝しているところです。
若手をターゲットに
――採用のためにHPを開設されたとうかがいました。
新保 今は紙ベースよりネットやSNSで求人情報を見る時代です。特に若い人に向けて発信するには学校やハローワークに行かなくても見てもらえて、直接問い合わせもできるホームページが必要だと思い、顧問税理士さんの勧めで、BESTホームページを導入しました。
――求職者にアピールする上で力を入れているコンテンツは?
新保 「お客様の声」です。元請けの方に、当社をどう思っているか率直なコメントをもらっているので、現場での仕事ぶりや雰囲気をリアルに感じてもらえるのではないでしょうか。また、「スタッフ紹介」ページでは、彼らが手掛けた物件や感想を掲載しています。今後、それぞれが経験した想定外の失敗談なども追加し、より充実させていきたいと思います。
――実際の効果はいかがでしょう。
新保 HPを開設した直後から、年に12~13人の応募が来るようになって効果は絶大でしたね。最初は、こちらが面接することに慣れていなくてとまどったくらいです。聞くとほぼ100%がHPを見て来てくれたと。正直でガッツがあるかを重視して、これまでに延べ37人を採用しました。
――今後の活用方針をお聞かせください。
新保 今までの実績や将来の安心感を伝えることも重要ですが、組み終わった鉄筋を見て「今回もいい仕事ができた」と汗だくになりながらも満足している顔、みんなでご飯を食べながら和気あいあいと談笑している休憩時の動画などを掲載し、仕事のやりがいや職場の雰囲気をもっと発信したいです。笑い声が響くだけではなく、時には活発に意見をぶつけあえる職場は、必ず新卒採用の武器になると思います。今後は新人教育に加え、管理職研修にも力を入れて、未来の新保鉄筋工業を担ってくれる人材を育てていきたいです。
この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
株式会社 新保鉄筋工業
住所:〒923-1204 石川県能美市長滝町697番1
電話番号:0761-52-0625
HP:http://www.shimbo-tekkin.co.jp/
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
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