戦略経営者掲載コラム 2019年1月

内面から美しくなれる「予防美容」を強くアピール

東京都新宿区四谷に店舗を構える「サロン・ド・ククー」は、「女性が内面から美しくなれる」を標榜する総合美容サロンである。ビルの２階に店舗を構えていることもあり、新宿通り沿いに面した賑やかな一角ながら静かでプライベート感溢れるスペースだ。代表取締役の東風谷和美氏にお店の理念や特徴、そしてホームページ（ＨＰ）をどのように活用しているかをうかがった。

──美容師になったきっかけは？

東風谷　社会に出てからテキスタイル（生地）の会社の総務部に就職しました。会社が終わってから客として通っていた美容院で手伝いをするようになり、それを機に美容師の世界に入りました。21歳の時に、当時の業界大手、大関早苗美容室に入社し、そこで10年修行を積みました。最後の２年は新橋店の店長を務めましたが、スタッフからの抜擢、20年ぶりの女性店長ということもあり社内の風当たりは強かったです。そんななか、日中のお客さまを増やそうと冬の寒い時期に半袖Ｔシャツでスタッフとビラ配りしたり、新橋店で縮毛矯正に初めて取り組んだりと、経営面ですごく勉強になりました。大関早苗美容室の根底にあるのは、目に見えるところだけではなく、人の内面にあるものを大切にすることでした。今でも「美しくなることは心ゆたかになること、心豊かになることは幸せになること」という大関先生の言葉を大切にしています。

美しさと健康を同時に実現

──その後独立されたのですね。

東風谷　銀座店の副店長に、というお話もいただきましたが、大関での仕事はやり切った感がありました。そんな時、アメリカに移住する知人の美容師から「江戸川橋にあるお店を居抜きで譲るのでどうか」と誘われ、自分のお店を持つなら今だと思い独立しました。その知人が渡米する１カ月前から一緒に働かせてもらって地元のお客さまを紹介していただきました。その後、３日間で一気にリフォームし開店しました。

──「内面から美しくなる総合美容サロン」の意味は？

東風谷　美容師をはじめた当初から、髪のことだけではなく、一人ひとりのお客さまをトータルでサポートしたいという想いがありました。例えば、お宮参りなら、お母さんの髪、メイク、着付け、お子さんの支度も全部して差し上げたい。お客さまが日々の生活を送るなか、必要なことは何でもやれる。悩みがあれば、聞いて差し上げる。そういう存在になりたかったのです。今も大関時代からのお客さまが多く、長いお付き合いのなかで共に年を重ねて来たという経緯から、心身の健康面でもサポートしたいという気持ちがあります。そこで予防美容に力を入れ、美容師としてさらなるスキルアップをはかっているというわけです。

――人気のメニューはなんですか。

東風谷　髪と地肌に優しい和漢カラーと頭皮洗浄が人気です。当サロンは静かで外から見えないプライベートな空間なので、それを生かしたエステ的な施術ができるのが強みです。

顧客の心身を癒やす美容師に

──ＨＰを改訂された経緯は？

東風谷　私は長年、接客中心でやって来て、ホームページ（ＨＰ）は友人に作成・更新してもらい、任せっきりでした。ある時、若いスタッフに「このＨＰではだめなんじゃない。古臭い」と指摘されました。当時の自分は、これからの人生で何をしていけばいいのか迷い、道を見失いかけていました。この指摘で美容室の将来にきちんと目を向けていなかったことに気付かされショックでしたね。そんなとき税理士法人西川会計の巡回監査担当者の方に相談すると、私の心情を理解しサポートしてくれました。ＨＰもＢＥＳＴホームページをご紹介いただき、リニューアルしました。

──ＨＰに期待する役割は？

東風谷　ありがたいことに、私は、昔からのお客さまで手一杯なのですが、若いスタッフのためにもＨＰを牽引力にして新規のお客さまを増やしたいですね。彼女は腕がよいのでお客さまを付けてあげたい。また、力を入れている和漢カラーや頭皮洗浄についてもっと知ってもらいたいと思っています。予防美容に魅力を感じて来店していただけるお客さまが増えたら嬉しいですね。

──今後の展望は？

東風谷　頭皮洗浄に出会って、お客さまの外側だけでなく精神的な部分まで癒すことができるということを知り、美容師という仕事の可能性が広がりました。都会での暮らしは、空気が汚く、ストレスも多いので、アレルギー症状が出て当たり前です。むしろ若い方のほうが身体面できつい部分があるのではないでしょうか。これからの美容師は、髪や外側の美しさのことだけではなく、お客さまの心身の健康面も考えられる存在でありたいですね。うちからもそんな美容師が育ってくれるといいな、と考えています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。