戦略経営者掲載コラム 2019年12月

徹底した事前準備で高品質と納期厳守を実践

東京都品川区にある株式会社ステップアップは、店舗の内装施工を手がける会社。百貨店やショッピングセンターなど商業施設を中心に多くの内装工事を行う。代表取締役の石川浩司氏に同社の強みや社員の採用に向けた取り組み、ホームページ（ＨＰ）活用法について話を聞いた。

現場調査で期間とコストを予測

──業容を教えてください。

石川　当社は、現会長の宍戸敏雄が２０００年８月に立ち上げました。設立以来、主にお店の内装工事を手がけてきましたが、その内容は大手内装会社（元請）からの注文案件がほとんどです。お客さまへの対応は、主に元請が行うので、基本的には元請の一員として仕事をするイメージですね。現場の施工は、協力会社に外注しています。最近の仕事は、物販の店舗が中心。なかでもアパレルショップが６、７割を占めています。

──着工前の事前準備を重視しているとうかがいました。

石川　工事に着手する前の段階で現場に足を運び、図面をもとに期間とコストを予測します。既存店舗を取り壊して内装し直すのにどのくらい期間とコストがかかるかを事前に調査するのです。開店の時期が決まっているとすれば、この予測値が重要になります。例えば、立地条件によっては、日中の工事ができないケース、２階がオフィスになっているので音を出せないケース、付帯工事が必要なケースなど、現地調査しなければ分からないことは数多くあります。また、どんな構造にすればいいか、強度上問題ないか、消防法の観点から燃えない素材で作る必要はないかなどが実は重要。協力会社にも出向いてそれらを丁寧に説明し、どのくらいの日数でできるかを確認し、クライアントと調整します。

──強みは？

石川　契約前の事前準備として意匠図だけではわからないことを図面化し、工期とコストを織り込みます。後から条件が変わるとすべてが後手に回り、工事が安全で円滑に回りません。繰り返しになりますが、当社では、お客さまのご要望を丁寧に確認した上で、現地調査を行うなど、事前準備を徹底して行います。その経験とノウハウが強みだと思います。

──仕事を円滑に回すためにコミュニケーションを重視されているとか。

石川　最近は、パソコンやメールの普及によって、以前よりもフェイス・ツー・フェイスのやりとりが減っているように感じます。疑問点を解消しないまま、仕事を進行してしまうと、どこかで必ずひずみが出てきます。そういうことがないように、元請や協力会社とのリアルなコミュニケーションをできる限りとるようにしています。パートナーとの信頼関係は何より大切です。品質を維持しながら、きちんと納期守ることができる会社でありたいですね。

──どんなときに仕事のやりがいを感じますか。

石川　完成物件を見たときでしょうか。「ありがとう。あなたが提案してくれたとおりにして良かった」とお客さまから言ってもらえると嬉しいですね。

── 社内のコミュニケーションはどのように？

石川　疑問を感じたら極力まわりに聞くようにしています。そして、結論を社員みんなで共有します。問題が顕在化する前に対処するには、事前に相談できる環境が必要です。一人当たりの担当件数を絞り、誰が何をしているのかが分かるようにしているのも、社内コミュニケーションの活性化のためです。

人材採用に注力し成長目指す

──ＨＰに何を期待していますか。

石川　まずは人材採用ですね。ほとんどの人がインターネットで会社を検索する時代なので、どんな会社なのか、顔が見えるようにすることは大切です。ＨＰを通して当社のことが正しく伝わり、われわれの仕事に興味を持ってくれる人が増えればありがたいと思っています。当社は少人数で風通しがよく、社員同士の協力関係がしっかりしている会社です。この業界の経験者はもちろん、未経験の方でも活躍してもらえるようフォロー体制も整えています。良い人材を獲得するためにも、今後はより一層、顧客満足と社員満足の両方を磨いていきたいですね。

──求人情報特化型の検索エンジンである「ｉｎｄｅｅｄ（インディード）」での人材募集も行われているとお聞きしましたが。

石川　もう少し人員に余裕があれば新しいことにチャレンジできます。そこを目指してインディードの有償広告を活用することにしました。つい先日も一件応募があったので、近く面接を行う予定です。まずは、応募が無いと前に進まないのでインディードには今後も期待しています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。