戦略経営者掲載コラム 2020年2月

新鮮食材をフレンチシェフが調理する“ 街の洋食屋さん” の人気の秘けつ

滋賀県彦根市にある「洋食ＳＨＩＭＡＤＡ」は、オーナーシェフの島田大輔氏と友紀菜夫人が営む洋食店。気軽に来てもらいたいと「洋食」という言葉を店名に冠し、「オープン以来５年が経過して、ようやく認知していただけたかなと思います」とのこと。メニューや店舗作り、そしてホームページ（ＨＰ）の活用について話を聞いた。

── フレンチの道に進んだ経緯は？

島田（大）小学生のときに「料理天国」というテレビ番組が好きで、コックさんが高い帽子を被っていたのを見て、将来はそういう仕事がしたいと思っていました。高校まで滋賀県で過ごし、卒業して２年間大阪の調理師専門学校に通い、大阪のホテルに就職しました。系列の石川県や静岡県のホテルに出向していた時期も含めトータルで20年間、フレンチの腕を磨きました。

──開店の経緯は？

島田（大）40歳を迎えたときに転機が訪れました。私生活では結婚して子供も生まれ、60歳を定年とすると残り20年。自分で料理を考案したいと思ったのもその時期で、そのためには自分のお店を出す必要があると、独立を決断しました。開店するなら地元でという意識もあり、妻の実家の彦根で、お客さまに気軽に来ていただけるような料理と店作りを目指しました。ちなみに妻がインテリアと接客を担当しています。

おしゃれな雰囲気が女性に人気

──顧客層は？

島田（大）ランチタイムは、女性の方がほとんどです。夜は、コースとアラカルトメニューの２種類を用意し、昼の流れで女性の方が多いですが、カップルや家族連れの方も来店されます。また、ワインや洋酒、滋賀県産のお酒などに力を入れているので男性が一人で飲みに来られることもあります。

──食材へのこだわりは？

島田（大）地元の新鮮な野菜を自分の目で見て仕入れています。新鮮な野菜は、味が違います。たとえば、ほうれん草は味が濃い。採れたてであることはもちろん、地元の農家の方が丁寧に作られていることがよくわかります。メインのお肉もできるだけ柔らかいお客さまが食べ慣れたものを使っています。

──料理の特徴は？

島田（大）フレンチに自分なりのアレンジを加え、お客さまになじみのある味にしていくのが店の特長です。たまには本格的なフレンチも作りますが、それはコースメニューを引き立てるため。野菜に関しては、素材の味を楽しんでもらえるように、味付けや火の入れ方などに気を使っています。調理の仕上げには能登の珠洲の切り出し七輪を使用しています。

──メニューはどのように決めているのですか？

島田（大）コース料理は、毎月変えており、旬のものや季節感のある食材を取り入れています。アラカルトメニューは固定のものもありますが、毎月変更するものもあります。色々と思いをめぐらせながら1カ月間考え、最後の週か２週間くらい前にまとめて形にします。それから妻にＨＰにアップしてもらいます。

──お店の雰囲気や接客は？

島田（友）女性のお客さまが多いので、清潔感と季節感を出すようにしています。常に「自分だったらどう感じるか」と自問自答しながら店の雰囲気を確認し、必要なもの不要なものを判別しながらレイアウトを変えていきます。そして、お客さまごとに来店される状況が違うので、できるだけすべての方に気持ちよく過ごしていただけるような接客を心がけています。

ＨＰは常連客へのアピール手段

──ＨＰを開設された目的は？

島田（友）店舗や料理を多くの人に知ってもらうためです。税理士法人ランドマークさんにご紹介いただいた、プロのアドバイザーが制作やメンテナンスをサポートしてくれる「Smartpage（スマートページ）」を活用しています。無料で紹介してもらえるグルメサイトもありますが、それだと料理の特徴やメニューなど、自分たちが伝えたいことが正確に伝わりません。自社のＨＰなら、ランチコース、ディナーコース、アラカルトメニュー、お勧めの飲み物まで載せることができます。新規のお客さまにとっては、無料サイトが便利かもしれませんが、何度も足を運んでくださるお客さまには、ＨＰが必要だと思っています。

──料理の写真がとても奇麗なのですが、ご自身で撮影されているのですか。

島田（友）トップページや店内の写真は、開店時にプロのカメラマンさんに撮ってもらいました。月替わりの料理は自分で撮ってアップしています。カメラが趣味というわけではないのですが、スマートぺージは自分で更新できるので、とても便利だと思っています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。