戦略経営者掲載コラム 2020年4月

“ワンちゃん”が通いたくなるペットサロンのウェブ戦略

2019年4月、埼玉県越谷市に開店したＡｍｅｌｉａは、ワンちゃんの「もうひとつの我が家」をキャッチフレーズにトリミングサロン、ペットホテル、ペット用商品の販売を行っている。愛犬家の内海佳代子社長と中山智美店長、スタッフの永井未沙紀さんにお店の特徴とホームページの活用について話を聞いた。

もうひとつの我が家

── どのような経緯でＡｍｅｌｉａを開店したのですか。

内海　７年ほど前に中山さんが前に勤めていたお店でトイプードルの「抹茶」と、キャバリアの「れい」と出会い、そのお店に通っていたのですが、しばらくして閉店してしまいました。その後、あちこちのペットサロンに行きましたが「うちのワンちゃんを連れていきたい」と思えるお店はありませんでした。トリミングされている様子が飼い主には分からないことなどが気になりました。

── 中山さんは、前のお店の閉店後、どうされていたのですか。

中山　最初のお店は私が初めて働いたペットサロンでした。生体販売もやっていましたが、店長は犬のことを一番に考えていて、雰囲気も「飼い主さんが見つかったらいいね」とペットに語りかけるようなやさしい感じでした。お客さまもリピーターの方が多く、毎月、ちょっと遊びに寄るように気軽に来店されていました。そこが閉店した後、２カ所のペットサロンで働きましたが、やめようかなと思っていた時に内海さんにお声をかけていただきました。

──お店のコンセプトは？

内海　お客さまに「うちのワンちゃんたちのトリミングを安心して任せられ、安心して泊まらせることができる」と感じてもらえるお店を作りたいと思いました。「家にいるのと同じように、ワンちゃんが気兼ねなく、自由に過ごせる場所」でありたいと考えていて、ホームページ（ＨＰ）のキャッチコピーも「もうひとつの我が家」にしました。

──お客さまとの関係性は？

中山　常連さんとはお互いにインスタグラムをフォローし合ったりしながら、近況を報告し合うなど、いろいろな話題で盛り上がります。新規のお客さまの場合、「今日の体調はどうですか」「ご飯は食べていますか」「何か気になるところはありますか」などとワンちゃんの状況を確認します。なかには、他のお店で嫌な思いをしたり、無理やりトリミングされたりで、トラウマを抱えてしまったワンちゃんもいるので、そのケアをすることもあります。

──1日預かりのトリミングとうかがいましたが。

中山　朝お預かりして夕方お返ししています。お預かりするワンちゃんには、元気な子やトリミングが苦手な子もいるため、その子に合った施術を心がけています。例えば、テーブルの上を嫌がるワンちゃんは床や抱っこでカットやブローをします。１日預かりだと時間に余裕があるので基本的にはワンちゃんの性格に合わせながら柔軟に対応しています。

── ペットホテルの運営で気を付けていることは？

永井　当店は、フリースペースでの宿泊なので、スタッフや他のワンちゃん達が一緒に寝ています。お家でご家族と一緒に寝ている子はスタッフと一緒に寝て、ひとりでゆっくりしたい子は自分の好きな場所で寝ています。中には環境の変化に敏感な子もいますので、その場合は、その子のためのスペースを作って、ゆっくり過ごせるように配慮もします。また、ロングステイをご利用の場合は、お外が好きなワンちゃんは、お散歩やドッグランでスタッフと一緒に遊んだりします。

──お客さまへの情報発信もされていると。

永井　お客さまとは24時間連絡を取れるようにしています。ＬＩＮＥを使って、ホテルや一日預かり中の写真や動画を送ったりしていて、お客さまに喜ばれています。

お店の雰囲気を伝える

──ＨＰ開設の目的は？

内海　今はインターネットで情報を探したり、調べたりというのが当たり前の時代ですから、他とどこが違うのか、そしてどんな雰囲気なのかを知ってもらうことを目的にＨＰを開設しました。そのため、トップページは、写真ではなく、雰囲気がよりリアルに伝わる動画にしました。シャンプーやカット、ペットホテルがどんな雰囲気なのか、あるいはワンちゃんの様子もよく伝わる内容になっていると思います。
顧問税理士の佐藤成雄先生に「Smartpage（スマートページ）」というＨＰ作成サービスをご紹介いただきました。このサービスは動画の作成をプロにお任せすることができるので、とても助かっています。

――今後、チャレンジしたいことは？

永井　「アメリアスタイル」というコーナーを作って、前週にお預かりしたワンちゃんの写真を月曜日に更新しているのですが、将来は動画でワンちゃんを見てもらえればいいなと思っています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。