情報発信の充実で園内外から信頼を獲得

情報発信の充実で園内外から信頼を獲得

岡山県倉敷市で50年以上保育園を運営する社会福祉法人心和会。子どもたちの主体性を育む「見守る保育」や「異年齢保育」に取り組み、2022年には、職員が子育てと仕事を両立できるよう企業主導型保育園を開園。また、HPをリニューアルし、情報発信を充実。採用や業務負担軽減にも役立てている。柏ちゃんキッズ保育園園長 秀川敬子氏、HPを担当する吉田和恵氏に話を聞いた。

子どもたちの主体性を育む

──事業内容は?

秀川 当園は、地域に保育園がないという声を受け、保育士をしていた先代が開園しました。子育てを取り巻く環境は、時代の変化によって少しずつ変わってきています。そこで大切になってくるのが、自分の意見を持って行動する主体性です。そのため、当園では「見守る保育」を実践しています。
「見守る保育」は一斉保育とは異なります。外で遊びたい子もいれば、室内で工作をしたい子もいます。だからこそ、一人ひとりの発達過程と主体性を尊重する環境が必要です。また、3歳からは異年齢保育も導入しています。1日の大半を年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごせる環境を整えることで、柔軟で対応力のある情操を育てることができると考えています。

──園の特徴は?

秀川 見守る保育や異年齢保育に加えて、子どもたちの様子を保護者の方たちへ詳細に伝えることにも注力しています。例えば、子どもたちが1日どんなふうに過ごしていたのかが分かるように、各クラスの保育の状況が書かれた掲示板「ドキュメンテーション」を玄関に掲示しているのもその一つ。また、毎月、お誕生会などの様子はユーチューブで限定配信しています。親子でその日にあったことを話すきっかけを提供すれば、コミュニケーションが育まれ、絆を醸成できます。

──企業主導型保育事業にも取り組んでいますね。

秀川 当園では、子育てをしている職員もいますから、わが子の成長を見守ることができる環境を整えてあげたいと思っていました。そのために、企業主導型保育園『柏ちゃんキッズ保育園』を開設しました。子育て中は4時間のパートタイム勤務を選べるようにしています。また、0歳から2歳までは当園の職員の保育料を優遇しています。おかげさまで離職率も低く、当園で働き始めたおかげで2人目、3人目も育てることができたと話す職員もいます。


自前でHPを更新できる体制

──HP刷新のきっかけは?

秀川 『柏ちゃんキッズ保育園』の開園と、翌年の柏島保育園から柏島認定こども園への移行に伴い、リニューアルを検討し始めました。20年来お世話になっている岡山総合会計税理士法人さんに相談したところ、アイ・モバイルさんを紹介していただきました。プロのカメラマンやライターが入って制作を支援してくれる点や、更新のしやすさ、そして価格に魅力を感じて依頼することにしました。

──こだわったところは?

吉田 保護者の方の大半がスマホ世代なので、スマホからの見やすさにこだわりました。また、デザインに関しても、あまりスタイリッシュにしすぎず親しみやすいデザインにしてもらいました。保護者の方に園の様子をタイムリーに伝えられるよう、パスワード付きの保護者さま専用ページを作ってもらったのもこだわった部分です。

──更新はどのように?

吉田 以前のHPは自分たちで更新できる部分が、お知らせやブログ程度でした。それ以外の箇所を変更するには、制作会社に依頼して対応してもらっていました。その度に費用が発生していたので、情報を更新したくても、なかなか気軽にはできませんでした。今ではお知らせページや各園のブログページ、それ以外の部分も簡単に更新が可能で、イベント開催の際には、当日中に写真をアップすることができます。特別な知識がなくても感覚的に更新作業ができ、使いやすくて助かっています。


タイムリーな更新と発信が可能に

──HP導入の効果は?

秀川 保護者の方々からは、園の様子をこまめに更新していることを評価いただいています。子どもたちが写るカラー写真をたくさん掲載することで、更新を楽しみにしてくださるようになりました。
また、職員の負担軽減にもつながっています。毎月のクラス便りもHPに載せることで、印刷や紙を折って鞄に入れる作業の手間がなくなり、ペーパーレス化にもつながっています。
さらに、園児募集にも貢献しています。少子化が進む中で、異年齢保育や見守る保育など、当園の魅力や雰囲気を発信することで保護者の方から選ばれる保育園になりつつあると実感しています。
吉田 職員だけでなく保護者の方にも便利にお使いいただいています。例えばインフルエンザなどの罹患(りかん)証明書をHPからダウンロードできるようにしたことで、書類を取りに園まで足を運んでいただく手間がなくなりました。園に電話連絡する際にも、HP上のボタンをタップするだけで電話がかけられるので、使い勝手の良さを感じていただけているのではないでしょうか。

──人材採用への効果は?

秀川 当園は離職率が低いとはいえ、採用面は大事です。その意味では、HPの存在が良い影響を及ぼしているのは確かです。事前に保育方針や雰囲気を知ってもらっているので、採用時にも相互理解が進みミスマッチを減らせています。待遇面もしっかりと記載していますので、安心して応募してくださっているようです。

──HPの活用ビジョンは?

吉田 保護者の方からは、過去の園便りもアーカイブにしてほしいという声をいただいています。また、短期間限定でユーチューブ配信している動画も、1年を通して見ていただける環境を整えてもいいかなと考えているところです。HPが更新しやすくなったことで、職員の意識も変わり、保護者の方に子どもたちの様子をもっと伝えたいという意欲も高まっています。こうした取り組みをしっかりと継続していきたいですね。

(取材協力:岡山総合会計税理士法人


社会福祉法人 心和会
TEL:086-526-0160
住所:岡山県倉敷市玉島柏島2686-2
URL:https://www.kashiwajima-kodomoen.jp


(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
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